家から車でちょっと、ってとこにレストランがあります。
某というシェフがいて、とかそんな感じじゃなくて…
ずっと昔、私が子供の頃にはファミレスってのはまだまだなくて、
外食っていうとこういうレストランに行ってたんです。
そつのないストリングスのBGM、たいして工夫の懲らされていない料理。
ハンバーグやビーフシチュー、エビフライ。
バニラのアイスクリーム、ソーダ水。
前を通るたびに、
客来んのかなあ、地味だよなあ、もう潰れちゃうかな?
ある日建物の中を業者が壊してて、
いよいよか… 残念。
と、思ってたら改装をしていたのです。
地味な外装には手を入れず内装だけの工事。
看板も古いまんま。
で、今日来てみました。
ちょうどランチタイムでお客さんがいっぱい。
なんかうれしかった。
お客がどんどん帰っていって、ガランとしたお店、窓の外の枯れ木、冬の日差し。
離れがたい。
頭の中のずっと使ってなかった部分が動きだす感じ。
母と二人で行ったレストラン。
子供には食べきれもしないのにステーキをたのんだ私。
二切れ、三切れでおなかいっぱいになっても、怒るでもなく、
タバコを吸ってコーヒーを飲む母。
ピンホールカメラで撮ったような淡い記憶。